わたし、入院しています

急に入院した女の話

わたし、入院していますep.2

おじいちゃんとおばあちゃんについてる看護師さんたちがなんというか優しくて楽しそうで(っていうと語弊あるんだけど)嬉しかった。

っていうかとにかく看護師さんが優しい。
優しいっていうか、器のでかい人間。
痛そうにしてれば心配した顔で痛いね、辛いね、と言ってくれて、ブーツ脱げなければ本当なんでそんなの履いてきたの!と笑いながら(うんこついた)ブーツを脱がしてくれて

「チョロ寺さん…なんかほんと着の身着のままじゃない?」
「そうなんですこんなずだ袋ひとつできちゃった…」
「多分これ入院と思うけど…」
「マジすか…」
「いやでも相当痛いでしょ…?」
「はぃい…」
「痛いよねえ、もうちょっと待っててね、ごめんね。」

このやりとりが人間〜って感じがして、守られてる感じがして、弱りきってる私は本当に安心した。

そのあと着の身着のままCTを撮ってもらう。

ところで10年ぶりぐらいにCT撮ったけど、CT撮る時には造影剤っていうのを投与する場合があるんですよ。それを投与すると、内臓が綺麗に映る薬なんだけど、ごくごく稀にアレルギー反応とか出るから(薬はなんでもそうだけどさ)事前に署名とかしないといけないんだけど。

その造影剤、体がぶわぁって熱くなって楽しい。造影剤投与すると指先から腕、体幹を通って手足の先までぶわって…セーラームーンが変身するときみたいに、なんか腕とか体幹とか足とか、リボンでパーン🎀っつって包まれて変身するみたいに、熱で包まれる感じになって楽しい。
セーラー戦士に憧れてる人は造影剤おすすめ。いやなんの話。

そのまま元のところに戻って6時までうつらうつらしてたら抗原検査しますとお知らせ。
コロナの検査しないと、通常フロアには上がれないし入院病棟にも入れない。

「ごめんね、外なんだ〜」

と言いながら看護師さんにストレッチャーに乗せられて移動。病院の救急車がつくところにパーテーションと白テントで検査する場所が作ってある。

「まずこれを被ってもらいまーす」

と透明プラでできた箱?頭にカバーするやつを置かれる。コンビニで売ってる苺大福の透明パッケージみたいなのの大きい丈夫なやつを寝てる患者の頭に被せる。顔の前面にふたつ丸い穴が空いて手が入る仕様になってて、そこから手袋した看護師さんの手がニュッと出てきて細長い綿棒を鼻に突っ込む。で結構ぐーりぐりして取る。

「いで、いだ、いだいです」
「痛いよね〜もうちょっと我慢してね、はい次左」
「いっ!いでっ!いだいっ!ひだりのほがいだいっ」
「痛いよね〜もうすぐ終わるからね〜」
「ううう〜」

私の鼻って曲がってて、左の方が鼻腔が狭いから余計痛いんだな。ちなみにインフルの検査より全然痛かったです。

その後にまた救急のエリアにもどり、いつも飲んでる薬の話になった。毎日飲んでる薬はピル(PMSと生理痛軽減目的)だけです、と言ったらピルは手術になった場合、血栓ができやすくなる薬の特性上継続して飲むのが難しいかも、とのこと。
っへ〜!!!と思いつつ、そもそも持ってきてなかったわ…と思う。ってことは明日から生理が来るのか。この状況で。うおえー辛すぎる。

「チョロ寺さ〜ん入院になります」
「わかりました〜、あれ、抗原検査陰性だったんですか?」
「じゃないと(病棟に)上がれないから笑!」
「お〜、ひとまずそれは良かった…」

そして7時ぐらいにやっと病室が決まり、移動できた。そのときは痛み止めが効いていて、車椅子でも体制を保てるほどではあった。何せ綺麗なこの病院、コンビニは24時間やっているらしい。ひとまず歯ブラシ、充電器、マスクを買ってどれぐらい入院するのかなあとぼんやりしながらお部屋に着いた。

その後に担当の消化器内科の先生が病室まで来て、CTの所見を説明してくれた。

●十二指腸が腫れてる
●胆管も腫れてる
・十二指腸が腫れてるから圧迫して胆管から消化液が出ない可能性が一つ
・胆管に石とか詰まってる可能性が一つ
・胆管は生まれつき開いてて(?)、十二指腸が腫れたことに影響うけてこうなっちゃってるの可能性が一つ

とりあえず明日MRI撮りましょう、そして明後日胃カメラね。病状を精査するために2週間ぐらい…入院してもらう事になります。という事だった。

だいたい自分の臓器把握してないから(みんなしてる?自分の十二指腸どこにあるかとか)、先生の話が文字でしか頭に入らなくて、でもなんとなく胃腸、特に腸あたりがなんかやばい。って事だけ理解した。そしてひとまずここにいれば、誰かが助けてくれるから大丈夫だ。って事も。

つづく。